トランプ大統領に猛毒リシン入りの手紙、犯人の目的は?リシンってどんな毒なの?

情報

はじめに

2020年9月19日、

アメリカ大統領ドナルド・トランプ宛てに

送られた手紙の中に

猛毒の「リシン」が封入されていた

事件について、

リシンとは一体どんなものなのか?
犯人の目的は一体何なのか?

について調べてみました。

 

「リシン」とは?

植物から取れるタンパク毒

リシンとは

「トウゴマ」(別名「ヒマ」)

と呼ばれる植物の種子から採取される

たんぱく質です。

 

トウゴマの種子(画像引用元:https://www.thoughtco.com/breaking-bad-ricin-beans-3976034)

トウゴマの実(画像引用元:https://pinkish-blue.com/ricin-to-president/)

 

トウゴマの利用

「トウゴマ」は

「ヒマシ油」の原料になる植物で

トウゴマの種子から抽出した油は

工業用油(潤滑油や塗料の原料など)

を製造するために用いられます。

 

ヒマシ油自体には

リシンは含まれていませんが、

ヒマシ油を製造する過程で出来る

残りカスの中にリシンが含まれています。

 

リシンの作用

リシンが動物の体内に入ると

たんぱく質の合成が出来なくなり

細胞を死滅させます。

 

そのため、致死量以上を摂取した場合

「激しい下痢」「呼吸困難」「意識不明」

などに陥った後

絶命すると言われています。

 

リシンの摂取

リシンの摂取には

「経口(食べる/飲む)」
「エアロゾル状態(細かい粒子になって空気中に存在)になっているものを吸引」
「注射」

などの方法があります。

 

リシンに触るとどうなるのか?

今回の事件のように

手紙にリシンが沁み込ませてあった

場合など

リシンは触れただけでも危険なのか・・・?

と気になり調べてみたところ

皮膚からリシンが体内に入る危険性は低く

触っただけで身体に毒が回る心配はないようです。

 

しかしリシンに触れた手

物を掴んで食べたりすることで

リシン中毒にかかる

可能性はあるそうです。

 

解毒

現在、リシンに対する解毒剤はありません。

 

しかし、リシンに対するワクチンの開発が

テキサス大学などで研究されています。

しかしリシン中毒の事件や事故は

今の所あまり一般的ではないため

ワクチンが出来たとしてても

実用性があるかどうかについては

不明です。

 

入手方法について

ちなみにトウゴマは

鑑賞用として苗が売っている場合もあり

またリシンが生成できる種子についても

漢方薬として使われる事もある事から

漢方薬局やオンラインで購入ができるようで

比較的一般の人間でも入手しやすい植物である

という事が調べてみて分かりました。

 

(猛毒なのに、いいんですかね・・・?汗)

 

リシン入りの手紙を送り付ける目的

今回、トランプ大統領宛てに

送られてきた手紙は

トランプ大統領の元には届けられていません。

 

ホワイトハウス宛てに届く郵便物は

全てホワイトハウスから離れた

別の施設で事前に検査を受けます。

 

今回の事件についても

この検査施設でチェックがなされ

猛毒のリシンが封入されていたと

分かっています。

 

そのため、

今回カナダから送られてきたという

こちらのリシン付きの手紙によって

「トランプ大統領を暗殺する」

という事はそもそも不可能です。

 

手紙の内容については

まだ報道されていませんので

何が書かれていたのかについては

まだ分かっていません。

(分かり次第追記したいと思います)

 

FBIはすでに容疑者の「女性」

を特定したとして

現在捜査を行っています。

 

そのため今回の手紙は

「脅迫目的」

であった可能性が非常に高いです。

 

実はトランプ大統領に

リシン入りの手紙が届くのは

今回で2度目!

前回は2018年に

アメリカ海軍の退役軍人が

リシンを送った罪に問われ

現在も審理中です。

 

そして実は2013年、

当時大統領だった

バラク・オバマ氏宛てにも

リシンが紙に沁み込まされた手紙が

送り付けられるという

似たような事件がありました。

 

犯人はすでに捕まっていますが、

この時の手紙には

「私と私の家族を殺さない限り、私から銃を取り上げることはできない。武器携帯の権利は、神から与えられ憲法で保障された権利だ。この手紙に入っているものは、私があなたに対してやろうとしていることに比べればささいなものだ」

引用元:https://www.cnn.co.jp/usa/35051003.html

と英語で書かれていたそうです。

 

犯人はテキサス州の女性、シャノン・リチャードソン。

当時の職業は「女優」です。

引用元:https://edition.cnn.com/2014/07/16/justice/texas-ricin-actress-sentenced/index.html

 

この時使われたリシンは

犯人が手作りしたもので

リシンの含有量は低いものであったと

報道されています。

 

シャノン・リチャードソンは

当初自身の犯行を否定しており

「手紙を書いたのは夫だ。自分は手紙を投函してくるよう指示されただけ。」

と主張していましたが

捜査の結果、

夫が事件に関与している証拠は

ないとし不起訴となっています。

 

FBIによると

リチャードソン被告は

インターネットでリシン製造のための

材料を購入した履歴が残っており、

出品者にリシンの精製方法について

尋ねています。

これが起訴の決定的証拠となり

18年の禁錮刑を言い渡されました。

 

まとめ

猛毒のリシンを使った今回の事件。

例え大統領本人に届かないとしても

殺害をほのめかすような脅迫を受け

周囲の人々は生きた心地がしないでしょう。

 

早く犯人が捕まるといいですね。

 

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