はじめに
『40歳になったら定年』と聞いてあなたはどう感じますか?
日本で企業に勤めている人々は通常65歳になると定年を迎えます。
しかしそんな常識に「待った!」をかける人物がいます。
それが東京大学大学院で経済学を教える、柳川範之(やながわ のりゆき)氏です。
この記事では「40歳定年制」というユニークなアイディアと
それを提唱した柳川範之という人物についてご紹介します。
柳川範之の提唱する「40歳定年制」とは?
「40歳定年制」は柳川範之(以下、柳川氏)が2012年に政府の国家戦略会議「フロンティア分科会」で提案した案です。
フロンティア分科会とは、2050年までの日本の未来を予想し国家としてどのような戦略を持つべきかを専門家と共に練るプロジェクトです。
そこで柳川氏が提唱したのは、少子高齢化により日本の生産人口が減った場合でも、誰もが70代80代になっても現役でバリバリと働ける未来を創るためには『40歳』という年齢を1つの区切りとして、それまでに培ったスキルをその後の30年~40年の間にどう活かすのか考えるきっかけにしようというアイディアでした。
柳川氏はあるインタビューで次のように言っています。
ポジティブな見方をすれば、これからは大きなチャンスが日々転がっている時代なのです。いままでの思うようなキャリアが手に入らなかった人も、40歳のタイミングで奮起して、これからの時代に必要とされる新たなスキルを身につければ、大きくステップアップすることも可能だと思うのです。
引用元:https://www.kandc.com/turning-point/special_v001/
「40歳で定年にされてしまう!」
と焦るのではなく、40歳を機に「人生の後半戦」に向けた新たなスタートを切ることが出来るとポジティブに考えるのがこの『40歳定年制』のようです。
「仲間たちとこの会社でもっと頑張りたい」
「これまで培ったスキルや経験を活かして転職したい」
「独立して起業するぞ!」
など、人々が自分の個性や時代に合ったオリジナルのキャリア設計ができるようになる。
自立心のある人には面白い企画である一方で、ただ何となくで仕事をしてきた方たちには背筋がゾッとするような未来ですね。
柳川範之の生い立ちと経歴
柳川氏の経歴は非常にユニークです!
『東大教授が教える独学勉強法』(草思社文庫、2017)などの著書を始め、インタビューなどでも彼の「独学時代」についてのエピソードが語られています。
柳川範之の両親と家庭環境
父親は銀行員、母親は専業主婦という家庭に育ちます。
銀行員である父親は海外出向が多かったようで、子供の頃は出向のたびに家族で海外に移住するという生活を繰り返していたそうです。
母親について柳川氏はインタビューで、
母は専業主婦でしたが、大学の英文科を卒業していたこともあり、シンガポールに引っ越す前も『面白そう』と楽しみにしていました。でも行ってみると右も左もわからない。家族が病気になったときにどこの病院にかかればいいかを、熱心に調べていた姿を思い出します。今の時代でしたら、バリバリ働くタイプではないでしょうか
と語っている事から、いわゆる「専業主婦」というワードからイメージされるようなやや受け身的なタイプの女性ではなく、積極的かつ能動的に変化を楽しめる、前向きな女性だった事が伺えます。
両親と共に海外移住した柳川氏自身も、新天地に向かう事にワクワクとしている両親の姿を見て育ったことはきっとポジティブな影響を与えたのではないかと思います。
ご両親については、母親は60歳になる前にお亡くなりになり、父親は定年後オーストラリアへ移住し、現在(2020年)はマレーシアに住んでらっしゃるという事です。
お父様には海外の水の方があったのかもしれませんね。
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