はじめに
2020年9月25日の
毎日新聞の朝刊にて、
昭和大学教授で小児科医の水野克己さんの
「母乳バンク」の取り組みが紹介されました。
「母乳バンク」という
聞きなれないワードと
水野克己さんについて興味を持ったので
調べてみる事にしました。
水野克己のプロフィール紹介

引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/c3b57bca1d813f4a162a723f801103753f731e53
水野克己さんは
広島県の出身です。
生年月日などの情報は
公表されていませんでした。
1987年に昭和大学の医学部を卒業。
1993年に渡米し
カリフォルニア州トーランスにある
Habor-UCLA Medical Centerの
研究員として勤務し、
翌1994年からはマイアミ大学の
ジャクソン記念病院にて
研究員として勤務します。
その後日本に帰国し
1995年に葛飾赤十字産院の小児科に勤務、
1999年から千葉県こども病院の新生児科で
医長を務めたのち、
2005年に昭和大学医学部小児科の准教授、
2014年より昭和大学江東豊洲病院の教授
そして同病院のこどもセンター長を務めます。
そして2014年7月、
日本初の「母乳バンク」を開設。
その後2017年に
「一般社団法人日本母乳バンク協会」
を設立し、
現在も代表理事を務めています。
水野克己さんは結婚されています。
妻の紀子さんは助産師をされており、
水野克己さんと一緒に
母乳バンクの仕事をされています。
「母乳バンク」とは?
世界で最初の「母乳バンク」が誕生したのは
1909年のウィーン。
その後、アメリカ、欧州、中南米、
アフリカ、アジアと母乳バンクは整備され、
現在では世界50か国以上に
600以上の母乳バンクがあると
言われています。
「母乳バンク」では
何らかの理由で予定より早く生まれてしまった
体重1500グラム未満の赤ちゃんに対し
検査を受けた「ドナー」から提供された
母乳を低温殺菌、冷凍保存し
母乳を必要としている赤ちゃんがいる病院に
提供するという活動をしています。

引用元:https://jhmba.or.jp/guide.php
低体重で生まれた赤ちゃんは
身体の器官が未発達のため
感染症などの病気にかかるリスクが高く、
特に体重1000グラム以下の赤ちゃんの場合
「壊死性腸炎」によって
6割が命を落とすと言われています。
人の母乳には
「ヒトオリゴ糖」という物が含まれており
その中に含まれる「DSLNT」という物質は
この壊死性腸炎を防ぐ効果があります(100%ではありません)。
母乳を飲むと
この壊死性腸炎の発症を
3分の1にまで減らすことが出来るそうです。
しかしヒトオリゴ糖は
牛の乳から作られる人工乳には
含まれていないため、
人間の母乳を未熟児に与えられるかどうかが
彼らの命を繋ぎとめるための
重要なポイントとなります。
早産によって子供を出産した場合、
母親によっては乳腺が未発達なため
母乳がまだ出ない事があるそうです。
そんな時に
母乳が多く出る他のお母さんたちが
提供してくれる母乳があれば
母乳が出ないお母さんの代わりに
赤ちゃんの命を救ってくれます。
ただ、
他人の母乳を我が子に与えることに
抵抗を感じる方もいると言います。
そのため日本母乳バンク協会では
母乳提供者である
ドナーの健康状態をきちんと把握し
母乳にウイルスや病原体が入っていないことを
検査した上で
母乳の保管・提供を行っています。
無償のボランティアで運営されている「母乳バンク」
水野克己さんを中心に
1人でも多くの赤ちゃんの命を
救いたいと奮闘する
日本母乳バンク協会のメンバーや
母乳を提供してくれる女性たち。
しかし驚いたことに
これらの活動は全て「無償」なんです!
母乳検査や保管用の施設運営費などは
協会のメンバーや企業からの資金援助
そして一般の方々からの寄付によって
賄われているといます。
母乳提供者である「ドナー」も
ボランティアで母乳を
提供してくれています。
代表である水野克己さんは
協会発足以前も
大学教授、そして医師として
多忙な日々を送る中、
奥さんの2人だけで
ずっと活動をしてこられたそうです。
そうした中、
ようやく水野克己さんらの活動を
国として支援する動きが生まれ
遂に2020年から3年間、
厚生労働省から財政的支援を得られることとなり
年間800万円から1000万円の
予算が付く事が決まりました!
このまま順調にいけば
2023年から「母乳バンク」を
全国的に展開していく事も
可能になるという見通しです。
(参考:https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/33049.html)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
参考になれば幸いです
最後までお読み頂き
ありがとうございました。