星野リゾート代表・星野佳路が卒業したコーネル大学ホテル経営大学院とは一体どんな所なのか?

人物
引用元:https://colocal.jp/topics/think-japan/innovators-intaview/20120601_7606.html

新型コロナウイルス感染拡大を受けて、今や『コロナ禍における観光業界のご意見番』としてテレビにネット記事に引っ張りだこの星野リゾート代表取締役社長・星野佳路(ほしの よしはる)氏。

 

慶応義塾大学卒業後、アメリカのコーネル大学ホテル経営大学院の修士課程を修了した超エリートのリゾートホテル経営者として知られる星野氏。

 

彼の見通しや意見は現在、未曾有の経済危機に瀕している日本の観光業界にとって一つの指針になっています。

 

何を隠そう、自身も小さな宿泊施設を営んでいる私ですが、最近参加するオンラインやオフラインのセミナー等で「星野」という名を聞かない日はないほど、その影響力は今や絶大です。

 

この記事では、そんな彼の戦略や観光業界への知見のベースとなっているであろう、コーネル大学ホテル経営大学院について調べた内容をざっくりとご紹介します。

 

コーネル大学ホテル経営大学院の概要

引用元:https://poetsandquants.com/specialized-master/cornell-university-school-of-hotel-administration-master-of-management-in-hospitality-mmh/?pq-directory-type=specialized-master/

 

正式名称は、Cornell SC Johnson College of Business(読み:コーネル・エスシー・ジョンソン・カレッジ・オブ・ビジネス)。

直訳すると「コーネル大学SCジョンソン経営大学」です。

 

コーネル大学はアメリカのアイビーリーグ(名門私立大学8校)の中の1つ。

 

星野氏が卒業したのはこの大学が束ねる3つのスクール、

 

Charles H. Dyson School of Applied Economics and Management(通称:Dyson)
=チャールズ H ダイソン応用経済学と経営管理学部
School of Hotel Administration(通称:SHA)
=ホテル経営学部
Samuel Curtis Johnson Graduate School of Management(通称:Johnson)
=サミュエル・カーティス・ジョンソン経営大学院

 

のうちの1つ「School of Hotel Administration」です。

ホテル経営学部は通称「SHA」「The Hotel School」などとも呼ばれています。

 

「School of Hotel Administration」は星野氏が在学していた当時は1つのスクールとして独立した存在でしたが、2016年に他の2つのスクールと統合され、ビジネススクールのうちの1つの学部という位置付けになりました。

 

SHAには学部(大学)とマスター(大学院)がそれぞれあり、星野氏はこのマスターを修了されています。

 

ちなみに余談ですが、学部の前にジョンソンとかダイソンと名前が付いていますが、これは大学に多額の寄付をしてくれた人物の名前が付けられています。

 

こう言う所はアメリカっぽいですよね。

日本ではあまり馴染みのない文化だと思います。

 

現在の英語の名称を正確に訳そうとすると「コーネル大学ビジネススクールホテル経営学部」と言う方がたぶん正しいのでしょうが、日本では2016年のスクール統合以前より伝統的に「コーネル大学ホテル経営大学院」と呼ばれており、現在でもその呼び方が一般的です。

 

コーネル大学ホテル経営大学院では何が学べるのか

SHAのマスターコース(修士課程)では優秀なホテリアー(ホテルのスタッフ)を育てるのではなく、「ホスピタリティー」を軸としたサービス業界のプロフェッショナル、リーダーシップを発揮し人と組織をマネージメントできる人材を育成する事を目的としています。

 

ホテルの経営理論やマーケティング、金融、不動産、運営など、サービス業に関わる様々な分野の知識を学ぶことが出来ます。

 

座学だけでなく、実際に各地の有名ホテルへの研修を行う等のOJTプログラムも充実しており、理論と現場それぞれの知識と経験を身に付けることが可能です。

 

本大学院で学ぶ学生はお客様へ直接接客をする立場の方と言うより、その方たちを指導し、ホテルや会社を経営し管理する立場の人たちを対象としています。

 

そのため、星野氏のような代々続く老舗旅館やホテルの後継者、カジノ経営者の御曹司、世界規模でチェーン展開する飲食店の経営者の子息、一流ホテルの経営幹部候補等の人々がこの学校へ学びに来るのでしょう。

 

星野氏のインタビュー記事やニュースでの発言を聞いていると、数字やデータに対する理解が非常に深いだけでなく、ホテルや旅館で働くスタッフへの配慮や、施設に食材や資材を卸している取引先業者、周辺の飲食店や観光施設など、経営者が見逃してしまいがちな「現場の人々」の事をとてもよく理解しているなと感じます。

 

星野氏のこの深く、広い物の見方という物は、きっとSHA時代に培われた物であろうと想像できます。

 

コーネル大学ホテル経営大学院のコース

SHAのマスターコースには3つのコースが用意されています。

 

① Master of Management in Hospitality(ホスピタリティー学 修士課程)
② Baker Program in Real Estate(不動産学ベイカープログラム)
③ Master of Science & PhD in Hotel Administration(ホテル管理学 理学博士/博士 課程)

 

このうち星野氏が納めたのは①のMaster of Management in Hospitality(通称:MMH)

 

MMHは12か月のプログラムで構成され、秋入学の3学期制となっており、夏にインターンシップがあります。

 

経営学の中でも特にサービス業界に特化した内容となっており、問題解決力や分析力、コミュニケーションスキル、判断力、論理的思考力などを養います。

 

コーネル大学ホテル経営大学院の卒業生

 

日本からの留学生も多いSHAですが、星野リゾート代表取締役社長・星野佳路氏以外にも多くの著名人を輩出しています。

 

  • 磯崎功典:キリンビール株式会社 代表取締役社長
  • 藤居讓太郎:日本サブウェイ 創業者
  • 山口祐司:商学者
  • 桐山健一:神戸屋 社長

 

ホテル業界だけでなく、食品製造業など幅広い分野の企業のトップがSHAで学んだ経験を持ちます。

 

「ホスピタリティー」というお客様相手の企業の在り方について学べるという事は、とどのつまり世の中のありとあらゆるビジネスに通用する考え方を身に付けることが出来るという事なのでしょう。

 

その他にもSHAを卒業した方々はビジネスにおいて活躍されている方も多く、「コーネル大学でホテル経営学を学んだ」と言えることは就職活動の際にも大きなアドバンテージになると言われています。

まとめ

 

コロナ禍の経済、特に観光業界にとってなくてはならない旗振り役の星野佳路氏。

 

彼を育てたコーネル大学ホテル経営大学院の事を少し知る事が出来たおかげで、いちリゾートホテル経営者に留まらない、星野氏の見る世界の広さをほんの少し感じることが出来ました。

 

理論を知り、現場を知る星野氏の言動から今後も目が離せませんね!

そして「コーネル大でホテル経営を学んだ」卒業生たちの今後の活躍にも注目です!!

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

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